ふと思い出したので書く。
スト5の対戦やってて、あーこの人はそんなでもなさそうだなーリラックスして対戦しよう~なんて構えてからストレート負けするなんてことがよくある。大変によくある。
そんな中でも印象的だった人が、中足波動だけをやるリュウだ。

ブロンズ帯の頃だったと思う。
彼は飛ぶだの前ステするだのはそんなでもないのだが、とにかく攻撃はすべて中足波動という人だった。
当たってせいぜい100とか120くらいのダメージなんだと思うが、こいつを何度も当てられてわたしは負けた。
彼はたった一つの武器を研ぎ澄まし、中足波動であれば上手に当てられ、且つミスもない状態を作り上げた。
火力は少ないから、読み合いの回数は増える。
が、こっちが完走できるかも危ういコンボであたふたしている間に、彼は器用に滑り込んできては中足を当て、波動を当て、また立ち回りに戻るサイクルを続けて勝ち、去っていった。
あれこれコンボを半端に覚えて悦に入っていた自分の頭をぶん殴られた気がした。

拳児の崩拳の話じゃん、と思った。
拳児の確か最初の方で、形意拳の達人である尚雲祥のエピソードがでてくる。
器用じゃない尚雲祥が一個だけ崩拳を教わり、師が不在の3年間それだけを練習し、やがて極めたといった話。

あれこれ半端な自分と、中足波動だけを丹念に磨いた彼の対比がまさにそれだったと思えて、しばし感心したことをよく覚えている。
んで今まさに困っているのが「最初の一個目どう当てるの」であり、彼の中足はなぜ上手に当たっていたのか、何が見えててそれが可能だったのか(わたしのガードがフワフワしていたのは無関係ではないが)、よく考える。
コンボは火力を伸ばすための道具で、コンボ始動の一個目がヒットを取れないことには意味がない。仮に1000減るコンボがあったって、1段目を当てられないなら、そのコンボは存在しないのと同じことだ。

「中足波動をやるリュウの話」への2件のフィードバック

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