イアクシャンライ。おねーさんです。
みてきました上野は東京都美術館。
商会のユッカさんと、IRCでよく会うだーすさんとで、トプカプ宮殿の至宝展にいってきたのねん。
もう。もう。
金。金。金。金。金。金。金。金。金。金。金。金。
そして宝石宝石宝石宝石宝石宝石宝石宝石。
北部モンゴルを発祥として、アナトリアを経てかの地にまで進出した彼らが、ついに世界の覇権の一端を手にするまでに至る歴史と、絶頂であった黄金期に創られた財宝の展示でした。
水差し、たらい、香炉や香水入れ、儀礼用の剣や斧と銃、鎧にゆりかごに装飾品の数々……。
圧巻でした。恐ろしく、凄まじく、美しかった。
トルコ石、ルビー、エメラルド、ダイヤ、ペリドット、水晶。んもうそれは、あの輝きは、ねえ。ねえ。
ぱくってきちゃいましたサーセン
みてよ。
スルタンが使った、ターバンの飾りだそうな。
息を呑んだ。言葉が出なかった。これを手にして正気でいられる、スルタンという存在の器量とはいったいなんなんだろう。
真ん中にはめ込まれた、まごうことなき本物のエメラルド。実に262カラット。化け物ですよこんなの。奇跡を10000重ねた上に君臨する奇跡の石。
写真じゃなかなか分からないけれど、深みのある濃い緑。ヒビこそあれど見る者を圧倒するその存在感。エメラルドは内部に独特の傷を持つのですけれど、その傷すら美しかった。あんなエメラルドにお目通りかなう日が来るとは、夢にも思ってなかった。
あたしたちがすったのはげたのとやっているこの時代はスレイマン1世(在位1520年-1566年:wikipediaより)の時代にだいたい当たるわけですが、これだけの富を世界中から集めることができた大帝国の、形容しがたい豊かさの片鱗を見た気がしました。
こういった財宝を目にすることができるのはすごく幸せなこと。
だけど、その一方で少し寂しくもあるのね。
こういった、頂点に立つものだけが持ち得た数々が、いまは美術館の所蔵品として収まり、ふさわしい主人に使われることが、もう二度とないのだなと思うとね。
スルタンやその妻達を飾ってこそ、これらは価値があったのではないか。
市井に降りてきて、みんなが見られるようになっていながら、誰も手を触れることは許されない。鋳つぶして再生するわけでもなく、ただ過去の栄華を物語る資料としての余生だけが待っているなんてね。
なんと虚しいのだろうと。
3人でこりゃすげえなんていいながら、実に3時間近くも美術館で展示を眺めたあと、渋谷でトルコ料理をいただいて帰ってきました。
いやー。
こういうのありかー!なんて驚きの料理も交えながらだったのですけど、とてもおいしかったなり。これはOFFでつかってもよさそうー。
因縁のムサカもいただきました。こりゃうまい。うまいよ。サモサもおいしかったー。
3人でひとしきりいろんな話をながら、さきほど解散して帰ってきた次第。
「美術館いこうよ」「いいねえ」
こういうやりとりを普通にできるDOLって、あたし的には素晴らしい世界なのだわ。ふつうないわ。
#あとね、象眼細工も素晴らしいのがたくさん。コーランの書見台ってのが素晴らしかった。象牙と黒檀でつくられた、それはそれは見事なものでございました。
#展示の中のパネルで面白かったのが、
「スルタンは失業したときに備えて手に職をつけるのが習いであった」
って一文。吹いちゃったよ。
コンスタンティノープルを陥落せしめたメフメト二世は庭師の技能、大帝スレイマンは金銀細工師の技能を持っていたそうな。
失業にも備えるなんて世知辛いなぁなんて眺めていたら、
だーすさん曰く「やっぱり色々つらいんだよ」。
なるほど……。
#この展示の実現に尽力されたスタッフの方々と、これだけの品々の貸与を許可してくださったトルコの方々には感謝してもしきれません。この展示は一生忘れられないと思う。

「その石には魔物が棲む」への4件のフィードバック

  1. おや、姐さんもいってらしだのですな。
    私もAZといってまいりましたよー。閉館ぎりぎりなので、人だかりがものごっつかったのが難点でしたが、良いものがたくさんありましたねぇ。
    オスマン皇帝陛下は工芸レベル高そうだなぁとか思ったりしましたw
    近くでやっていたマヤ展とかも凄く気になったのですが、残念ながら時間と体力がありませんでした。無念。
    機会があれば、ご一緒にどこかいきたいものですなぁ。
    最近はイタリア展とかいろいろやってるので、また何かありそうですけれど。ネーデル宝石展とかやらないかしらん。

  2. ほー!
    よかったよね!素晴らしかった!
    知り合いで他にも見てる人がいたとはー。
    そだねえ、なるべくこまめに、こういった遊びをしようとおもっとります。

  3. トプカプ宮殿の至宝展っていうのやってるんだ。
    次は京都なのね。。。
    来月からのインカマヤアステカ展行きたいなぁとか思ってるの。
    こっちは神戸なんだけどね。
    昔なら博物館行こうなんてあんまり思わなかったけど
    今はそういうのゆっくり見に行きたいの。
    一緒に行ける人いたらもっと楽しいんだろうなぁ。

  4. >>にやさん
    いけるなら是非。そうそう見ようとしてみられるものじゃないしね。
    インカマヤアステカも、行った人の話ではかなり良かったらしいよー
    ああいう珍しい品々を眺めて、ぼんやりとお茶のんで、当時の人々に思いをはせるなんてのは、なかなか贅沢な遊びだと思う。
    一緒に行ける人かー。
    それこそ、王子をお連れになっては!
    本物を見せて上げるのってとってもだいじだと思うのね。
    あたし子供の頃(たぶん小学生)に連れてってもらったエジプトの展示、まだ忘れられないでいるよ。
    分厚い目録の紙で手を切ったことすら、はっきり覚えているもの。

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