あたしが言うまでもなく買いの一本

みんな絶賛してるし間違いないんで、この記事10年後に見た人でもいいからやってほしい。次元の違うゲーム体験になるよ。

ご多分に漏れず気になりつつ、アイアンマンみたいに飛び回るパワードスーツのゲーム(なんだっけ)やフォーオナーと同じ「結論ダメでしたー」に怯えて暮らした数日の後、発売日に体験したのはあたしの糸目が見開かれ、ため息を付き、言葉にもできず呻く諸々でありました。
終えてないんで確約はできないですけど90点余裕超えと思います。

まだ序盤も序盤なんだけどけっこう感動しているので書きなぐっておく。
あたしはゲーム下手であるという自認がちゃんとあるので難易度はEasyでやってます。予想通りけっこう死んでる。
記事内では対馬を對馬と書いています。ゲーム内がそのように表現しとるので。

一騎打ちがすき

名乗りを上げてまずは1対1での勝負にもちこむわけだが、これが野盗だろうと元寇だろうと応じてくるのが、このゲームならではの世界観だと思う。
知るかァかかれー!で、全員で殴りに来たっていいわけじゃん。でもしない。必ず応じる。

開発元であるサッカーパンチが表現したかったのはこういうことなんだなってメッセージがあるように思う。
どこの国のどんな身分であろうと、ひとたび構えたならば誇りをもって相対するのだという世界。武士の誉れは武士にのみあるものではないのだと。對馬にて刃を履く者すべてが、そのプライドをもっているのだと。
むろんこれはめちゃめちゃデフォルメした理想のジャパンなんで我々のいる日本とはかけ離れとるんだが、理想とんがらした先にこんな風景見てくれたのね、ありがとうって気持ちになるんですよ。

振れば吹き飛ぶ敵はいない

コトゥン・ハーン(声がめちゃいいです)をどのように表現するのかという最序盤においての重要なシーンでもそこを通底させている。
むしろ尊敬に値する人物として作っているところに、油断できない恐るべき相手であることを滲ませている。
※名乗りを上げた武士に火を放って首パーンとかは、あたしは持つ哲学が違うんだわなという解釈をしている。
あそこで「誉れのない者」と叔父上が言うの伏線だったでしょ。誉れとはなんなのかを、あそこで意識してもらうための導入だったでしょ。

バサラとかと大きく違うのは、どんな雑兵であっても振った刀を素直に受けてはくれないところ。バサラと比べるのは乱暴すぎるんだが、刀を構えた者同士が緊張感のある戦いをする、当たり前の光景がかならずある。
すべての人が命を賭してそこに立っている。

對馬の戦場と山野

鮮やかな世界、でもHorizon ほどギラギラしてない

村を焼きあたりを荒らす元寇や野盗に、あちこちで出くわす。
返り血を浴び泥に塗れてすべてを地に伏せる武士のシーンと、風に揺れる木々や草花に目を奪われるシーンが交互にやってきて、コントローラを持つものの情緒を左右に振り回してくる。

水風呂とサウナ、辛いチョリソーとビール、キスとビンタ、称賛と罵倒、なんでもいい、そういうなんつうの、限界目いっぱいの振幅で見るものを圧倒し続けてくる。

気に入ったツイート

チーズバーガー・サムライはけだし名言だが、これだけの作品をこさえておいて「チーズバーガー」と評した奥ゆかしさがすごいんですよ。
どんだけ好きなの。めちゃめちゃオタクなんですよね。日本のオタクなのか時代劇のオタクなのかわかんないけど、振る舞いが謙虚なんすよ。

よくある「日本がこれを作れないのは」云々

むりでしょ。予算だのなんだのをひとまず置いて。

違う舞台ならわかんだけど、このモンゴルや對馬といった舞台を選択するのは、日本にはなかなか難しいよ。
この舞台をサッカーパンチに選んでもらったのはあたしたちにとってもメリットあると思っている。
あ、元寇ってホントはそんな怖かったんだ?って体験できるじゃん。
欧州ではハンニバルとモンゴルはかなり怖い連中だったことを教えていると聞いたことがある。まあそら喉元まできたもんな両方とも。
日本はどうしても低評価というか、台風で帰った人々ってものの見方をしがちなんで怖さがピンとこない。
これを機に、あれこれ調べた人がツイートして、ああそういうことだったんだーって広がっていったら楽しいなって思ってます。

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