日々、林檎アレ液のはいったビンを眺めてニヤニヤしたり、揺らしてニヤニヤしたりしています。
ペットは菌類です。おねーさんです。
だんなさんだんなさん、とか、逆鱗拾ってきたりとか、ニャーとか言ったりもしませんが、日々、ボコボコしたりシューしたりしています。
餌はおもに糖類です。
あたしが甘いモノを控え始めたと思いきや、ペットが食いまくっています。
先日、もうスカスカだろうから除去しちゃおうということで、酵母ビンに入れていた葡萄の房を取り出しました。ほどよい甘さが美味しい葡萄でしたが、こいつの中にあった甘みは、すでにペット共が食い尽くしているはずです。
白い「もろみ」みたいな泡状のものもあちこちにひっついており、こういうペットを飼い始めていない頃のあたしが見たら、間違いなくビニール袋越しでないと触れない様相を呈しています。
ひとんちで見たら、目を背けつつ急用を思い出すであろうと思います。
そんな葡萄を手で取り上げ、粒を一口たべてみます。
そうですあたし食べました。成長したなー。
予想はしてたが本当に甘くない!
甘さのない葡萄を食べたことなんてないです当然。
わー全然甘くない。そして果肉を食べているはずなのに、果肉から感じられる炭酸の舌触り。シュワシュワしている葡萄なんて生まれて初めて食べました。
うまいかと言われますと、うまくもなんともない。ペットが食い尽くしたあとの残飯をかじっているようなものですしね。
いやーこいつらよく食ったなあと感心しつつ、ビンのふたを閉じました。
いい感じに育ったっぽいので、こいつらに今度は小麦粉を食わせてやります。
パンの中種です。おねーさん再び挑戦。
理屈で言えば不思議でもなんでもないことですが、葡萄をあたしはかじりました。
かじれる形を保っていましたし、食感そのものは紛うことなく、酵母液につけるまえの葡萄とほぼ同じでした。
果物なんて腐ったら形もなく溶けるのが普通ですが、酵母菌はまさしく糖だけを食ったがゆえに、葡萄のかたちが綺麗に残ったんですね。
腐敗で葉や果物が溶けるのも、菌がそのように食っているからなのだなあ。
当たり前の話ではありましょうが、目の前で実体験できると、こんなことでも感動を覚えます。