パンの種がぼそぼそしている。
伸びが悪い。
水分の計算したあとでバター足したからベチャッとなるとおもいきや落ち着いた。

はい。
理屈で考えなければいけないという視点を忘れていました。
あたしはいつから、牛乳や卵が「ほぼ水分99%とかだろう」と盲目的に信じていた?落ち着いて考えればそんなわけ絶対にないよね?
思い込みの勘違いを盲目的に信じているようでは話にならない。

たまたまホニャララではダメ。こねてる間に蒸発していい感じにホニャララこれもダメ。ロジックを考えないといけんかった。こねてる間に蒸発云々を論じるのなら、こねる前とこねた後で計量し、何グラムの水分が失われたかを測らなくてはいけなかった。
で、材料のうち水分を沢山含んでそうなものを対象に、ちょっと調べてみました。
あたし頭ぶん殴られたかと思ったわほんと。
#この記事の最後に、以下の計算のもとになったサイトのリンクを張っています。見ると賢くなれます。

卵の水分:64.7%

鶏卵:可食部 63g 当たり40.8 g

63gはL玉とかです。うちがよく買う卵だと可食部50gジャストですので再計算が必要です。卵の可食部の重量中、64.7%が水分だということになります。
卵を50g全量使った場合、水分としては32.3gぶんでしかなかったということになります。
ざっくり見積もりでも卵は入れた重量の6割を水分と換算して考えねばいかんと。
卵を水換算するとかは普通しないはずでありますが、水50gぶんの水分を卵で確保する場合、77gいるというわけ。

バターの水分:16.2%

さくさくいきましょう。うちは無塩バターを使います。

無塩バター:可食部 8g 当たり1.3 g

16%というと無視していい数字のようにも見えます。
30gのバターを混ぜ込んだ場合に加わる水分は4.87g。約5gの水分を多く見るか少なく見るかは難しいところ。とはいえ、ヘタクソのくせに計量を雑にするのは根本から間違っています。今後は計算に含めよう。

牛乳の水分:

いや99.9%水だろwwwと思いはしますが、科学的な態度というのは思い込みで例外を設けてはいけないものです。

牛乳:可食部 150g 当たり131.1 g

まさかの87.4%。
道理で生地が伸びないわけだ。道理でぼそぼそしていたわけだ。
水100gと同量の水分を確保したい場合には、114gの牛乳を用意しなさいということになります。

オリーブ油:

おまけ。

オリーブ油:可食部 100g 当たり0 g

へえぇぇぇえぇぇぇ。
実際に水の分子が云々ということではなく、栄養学上は水分はないという形で捉えているんですなー。
はーなるほど。
なるほどねー。
で、水の分子が占める重量の割合はなんぼなんじゃ。

(2017-06-14追記)
コメントで、油の水分は本当に0であるとコメントをいただきました。
なので、
>で、水の分子が占める重量の割合はなんぼなんじゃ。
なんぼなんじゃって、0なんじゃ。0だったんじゃよ。。。
JohnDoeさん、ありがとうございました!

本当にバカですいませんでした。

水ってあるけど牛乳に変えてこねてみよう☆ミ
とかやってました。1:1で一切比率変えずにまぜてました。
この伝で行くと、あたしぜんぜん水分足りない状態でパンこねてた。ここ数回のパン作成はひとつのこらず、ぜんぶ間違っていたといっていい。

ショックだわ。今後は、いちいち、きちんと、調査・計量・計算しっかりやってこうと思いました。

水分の含有量(卵類)
水分の含有量(乳類)

「卵や牛乳の水分量を疑え」への7件のフィードバック

  1. そば打ちの時、卵を使うレシピを見て、卵を使わない時は水分いくら足すかと思い、

    “卵の水分”で検索かけてみたら、このブログに行き当たった。まず、ありがとう!

    他の記事も読ませて頂きました、とても面白いです。

  2. アルケさん
    いらっしゃいませ。お役に立てたようでよかった。
    私も他のとこで調べたことのメモ書きなので、偉そうに語れることはなにもないのですけれども(´・ω・`)
    美味しいおそばができたであろうことを祈ります。

  3. オリーブ油

    実際に水の分子が含まれていないので、栄養学上うんぬんでは無く、水分はないで正しいです。

    水の分子が占める重量の割合は0であってますよ。

  4. JohnDoeさん
    ははーそうなんですね、都合上0とかではなく、ほんとうに0だとは思ってもみなかった
    (そこまで手を伸ばして調べませんでした;)
    あああ
    あ水あ
    あああ 水=水、あ=油の分子みたいななにか
    こんな何かなのであろう、みたいなイメージで生きてました。
    ご教示いただき感謝です!また賢くなりました。

  5. 油に水分が含まれていないのなら、液体っぽい性質はどこからきていて、何と呼称するのでしょうか?
    お菓子作りで使う量を割り出すには、そのあたりが重要そうだと思います。

  6. B.H.Cさんこんにちは。
    気にしちゃいますよね、そこ。
    実のところ全く同じことを考えもしたのですが、水の分子が0であるということ(上でJohnDoeさんにコメントいただいています)に加え、べつに液体がH2Oを含んでなきゃいけないわけじゃないしなーという理解をして、心情的に解決しちゃってました!
    液体っぽい性質は油が常温常圧のときに液体である、という性質からくるものでありんすから、たとえば油もカンカンに熱すると空気のごとく水蒸気のごとく気体になるわけで、そういうもんって理解でいいのではないかと。

    実験したわけでもないのですが、パンの発酵に必要な100mlの水を100ml?の油に置き換えた際に生地が発酵するのか?みたいなとこは興味深い話題ではあります。が、それって美味いのか?というほうが製パンや製菓には優先度が高い。
    もっと微細な、ほんの少しの割合でのシーンを想定されていることとは思いますが、先人が築いてきた失敗パンの山とレシピから適切な割合は学べるはずで、お菓子を科学するひとでなければそのへんを落とし所にしてるんじゃないでしょうか。

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